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小公女




たかだか20を少しばかり超えた少女を国の頭に据えようなんて狂気の沙汰だと思ったの。


民衆はいつだって仰ぐものを欲する。
それがまだ若く、おまけに美しい娘なら、喜んで彼女を姫と讃えて持ち上げる。
この国の舵を奪い合おうとする老人たちはたかが小娘と嘲って、飾りたてて置いておくだけ。
醜く歪んだ自分とよくにた分身よりは、御しやすかろうと考えて。

そして彼女は全部そのことを知った上。
この滅茶苦茶な国に皇女として立つことを余儀なくされた。
それが、あたかも自分の意思であると言い聞かせて。
アザディスタンとクルジスの未来のためだと、健気にも信じ込んで。


「恐いわ」


カレッジにいたころはこんな風じゃなかった。
もっと明るく、屈託無く笑って。


「眠れないの」


決して争いがなかったわけではなかった。
テロもあった。血もたくさん流れていた。
でもたくさんの友達に囲まれて、学校に通って。


「ねぇシーリン」


学校帰りに寄り道した店の洋服が可愛かったとか
講義中の居眠りを、運悪くボーイフレンドに指摘されて恥ずかしかったとか
美味しいケーキのお店があって、今度一緒に行こうとか。
そんな、ありきたりで普通の。
とても大切なことをたくさん知っていたはずなのに。


「シーリン」


いま彼女を取り囲むのは争いと、対立と、滅んでゆく国だ。
それなのにこの皇女は、泣きながら、傷つけられながら、それでも責任を果たそうとする。
皇女ゆえに。
生まれついての皇女ゆえに。

ああなんてかわいそう。
こんな美しい娘が他人の食い物にされるなんて!

だから決めた。
守ってあげる。
貴女を害そうとするすべてから。
老人たちが並べ立てる慣例もタブーも関係ないの。
ただ私は貴女を守る盾でありたい。
貴女が無事に皇女の役目を捨てられるように。
一緒にケーキを食べにいくんでしょう?
だから、ねぇ。


「もう泣くのはやめなさい、マリナ」













マリナさまとシーリン。
これも携帯でぽちぽち打ってたヤツ。
保守と革新の対立とか、政治に女性が関わっちゃいけないからシーリンは表に出て来れないとか、
アザディスタンのどろどろ設定は非常に萌えるのです、が。
あんま情報が無い・・・

ので今のうちに勝手に醸造。
二人は昔からの知り合い・・・てことで。
マリナ様は皇女になるまえは普通の女の子。
ギアスのユフィとかアンジェリーク的な。
シーリンは厳しいけど、マリナさまのことちゃんと大切にしてて欲しいな。