アンノウン





額にキスを落とされる。
髪の毛に添えられた手の感触が、少しもどかしい。
そこで己の心の揺れを悟った。
もどかしい?なんだそれは。いったいどういうことだ。
思わず顔を上げると深い緑の瞳とかち合う。
こちらの心境など知りもしないで、ロックオンは小さく笑う。

「なに?どうした?」
「別に。なんでもありません」
「そうか。少しはなにか感じてくれたのかと思った」

柔らかな表情を崩さずに、それでも言葉の端に寂しさが滲んでいた。
そのことに、ティエリアの機嫌はまた下降する。

「早く行ったらどうです。アレルヤ・ハプティズムが待っている」

そう。これから彼は任務でアレルヤとともに地上に赴く。
パイロットスーツをまとった彼と行き会ったのは偶然だ。
本来、こんなところで無意味な会話をしている場合ではない。

「ああ・・・そうだな。じゃあもういくわ。引き止めて悪かったな」
「任務をしくじるようなことはしないでください」
「お前こそ、刹那と喧嘩すんなよ?」

シュン、という音とともにロックオンの後姿は扉の向こうに消え、
後には窓の外の宇宙だけが残された。
無数の光がちらちらと痛い。
そして唐突にこみ上げる衝動に愕然とした。
大きく息を吸っても、身体の微かな震えが治まらない。

口付けは唐突で、それで自然だった。
すっと詰められた距離に戸惑いもせずに、その手のひらの温度を受け入れてしまった。
他人に干渉されるのは嫌いだ。
身体にも、精神にも。
なのに許した。
彼に許した。
それは、一体。


『エクシア、デュナメス、発進します』

機械を通じて聞こえる、オペレーターの声。
緑の粒子を撒きながら2機のガンダムは青い球体へ降下してゆく。
ひたり。
窓の冷たい感触が手に伝わる。
振り向きもせず地球を目指す機体が、なぜか苦しくなって思わず息を吐いた。
どうして。
彼は任務に行くのだ。後ろを気にすることなど許されないのに。

胸の中で渦巻いた痛みの正体がわからない。
またティエリアは不快になった。












記念すべき1本目。
サイト立ち上げを決意させた二人。ロッテリア!ロッテリア!!
3月からのアニメ誌各誌の煽りっぷりはけしからんと思いませんでしたか?
私は思いました。 けしからぬもっとやれ!


携帯でぽちぽち打ってたヤツです。
ティエは前半と後半で差がありすぎ